モレックスのコンスーマービジネスの企業戦略家として、私は常に、エンドユーザーとサポートする企業にとって広範囲にわたる可能性を秘めた新たなテクノロジーを探求しています。5Gは、そのようなテクノロジーイネーブラーの1つであり、さまざまな業界でイノベーションを推進しています。

5Gが消費者に価値を提供する方法はたくさんあります。しかし、このような状況では、最大の技術投資やユーザー受容を促進する最初のアプリケーション領域を特定することは困難です。とはいえ、5歳の息子でさえ、誰もが意見を持っているようです。彼は私に、5Gは、「あなたの電話ですべてを動かすようになる」と言いました。5Gの高速で低遅延の伝送が、消費者・産業・ヘルスケアアプリケーションの増加をどのようにサポートできるかを考えると、これはかなり鋭い観察です。

最近のモレックスの「5Gの現状」調査によると、コンスーマーアプリケーションにおける5Gテクノロジーの主な使用例のトップは拡張現実（AR）です。その通りだと思います。ARとVR（仮想現実）は、5Gの能力を最大限に活用する最初のユースケースの1つとなるはずです。もし「ステロイドのFaceTimeまたはZoom」があれば、当たり前になるコミュニケーションの改善について考えてみてください。5Gの可能性が、あらゆる種類の没入型体験を次のレベルに引き上げることを実感していただけると思います。

AR/VRは、サブ6GHzおよびミリ波の高速5Gネットワークと、スマートフォンやタブレットからARグラスに至るまでの新しいデバイスの革新により、消費者が周囲の環境とシームレスにつながる多次元的な相互作用を促進します。また、5G対応のAR/VRは、世界のゲーム市場を活性化させます。Mordor Intelligence社は、ゲーム市場は2026年までに2,960億ドルに達すると予測しており、モバイル化の割合が増加すると考えています。また、AR/VRは、パーソナライズされたマーケティングや、拡張されたバーチャルなショッピング体験など、消費者の様々な新しいユースケースを促進することが期待されています。

さらに、AR/VRはスマートな工場のフロアや、石油精製所などのプロセス産業におけるインダストリー4.0のイノベーションを推進する上で、極めて重要な役割を果たします。5Gのプライベートネットワークは、WiFi 6よりも安全性が高く、遅延が改善され、デバイスの密度も高くなります。産業機械では、状態監視や予防保全、さらにはリアルタイムのプロセス制御などの機能を持つコネクテッド・センサーの利用が拡大すると予想されます。これらのセンサーからのデータは、全体的または部分的に、5Gのプライベートネットワークを介して供給することができます。このデータは、遠隔地での作業の監視、機器の故障の正確な予測、トレーニングの改善、メンテナンスコストの削減などに利用できます。

場合によっては、AR/VRヘッドセットを装着した技術者やエンジニアが、自分の役割をより効果的に、あるいは遠隔で果たすために、このデータが役立つこともあります。  AR/VRグラスやヘッドセットを使って、バーチャルなデータレイヤーにすぐにアクセスできるというのは、非常に魅力的です。地球の裏側にいても、工場の現場にいるような感覚で、新しい生産ラインの検証やトラブルシューティングができるのですから。これは、私が5G対応の産業用AR/VRに傾注する理由のひとつです。もうひとつの理由は、産業用5Gの導入には、レガシーのイーサネット接続を大規模に「引き剥がして交換」する必要がないということです。適切な5Gインフラをレガシー接続と並行して導入すれば、最新世代のAR/VRゴーグルを装着し、既存の有線センサーや新しい5G対応センサーからデータの流れを受けて、業務効率や生産性、品質を高めるためのリアルタイムな判断を下すことができます。

まだまだ先の話ですが、5Gの技術革新は、コネクテッド・ヘルスケア、特にAR/VRを活用した医療診断や患者への遠隔治療に永続的な影響を与えるでしょう。もちろん、医療用の5Gアプリケーションのほとんどが規制当局のパイプラインを通過するまでには時間がかかるでしょう。しかし、遠隔地の患者を治療したり、5G対応のAR/VRを利用して世界各地のトップドクターが救命手術を行ったりすることは、おそらく最もインパクトのあるユースケースになるでしょう。

高速伝送用のサブ6GHzおよびミリ波5Gネットワークと、スマートフォンやタブレットからARメガネに至るまで、新たなデバイスのイノベーションによって促進されるAR/VR体験は、消費者を周囲の環境とシームレスにつなげる多次元的なインタラクションを促進します。5Gに対応したAR/VRは、2026年までに2960億ドルに達するとモルドール・インテリジェンス社が予測する世界のゲーム市場の加速剤としても機能します。AR/VRはまた、パーソナライズされたマーケティングや拡張・仮想ショッピング体験など、さまざまな新しい消費者ユースケースを促進することが期待されています。

さらに、AR/VRは、スマートな工場フロアや石油精製所などの他のプロセス産業におけるインダストリー4.0イノベーションを推進する上で極めて重要な役割を果たすでしょう。プライベート5Gネットワークは、Wi-Fi 6よりもセキュアであると同時に、遅延が改善され、デバイス密度が向上します。状態モニタリング、予防保全、そして最終的にはリアルタイムのプロセスコントロールといった機能において、産業機械におけるコネクテッドセンサーの利用が拡大することが予想されます。これらのセンサーからのデータは、プライベート5Gネットワークを通じて全体的または部分的に供給することができます。このデータは、遠隔地からの作業のモニタリング、機器の故障の正確な予測、トレーニングの改善、メンテナンスコストの削減に利用できます。

場合によっては、このデータは、AR/VRヘッドセットを装着した技術者やエンジニアが、より効果的に、あるいは遠隔操作で自分の役割を果たすのに役立ちます。AR/VRメガネまたはヘッドセットを介して、仮想データレイヤーにすぐにアクセスできることは、非常に魅力的です。まるで工場の現場に立っているかのように、地球の裏側から新たな生産ラインの検証または問題のトラブルシューティングを行うことを想像してみてください。これは、私が5G対応の産業用AR/VRに強気な理由の1つです。もう1つの理由は、産業用5Gを導入する際に、レガシーイーサネット接続を大規模に「リッピング & リプレース」する必要がないことです。適切な5Gインフラが、レガシー接続とともに整備されれば、最新世代のAR/VRゴーグルを装着し、既存の有線センサーまたは新たな5G対応センサーからデータストリームを受け取り、業務効率・生産性・品質を高めるリアルタイムの意思決定を行うことができます。

5Gのイノベーションは、コネクテッドヘルスケア、特にAR/VRを活用した医療診断や遠隔患者ケアに永続的な影響を与えるでしょう。もちろん、医療用5Gアプリケーションの多くが規制当局のパイプラインを通過するには時間がかかります。それでも、遠隔地の患者をケアしたり、5G対応のAR/VRによって世界中のどこでも一流の医師が救命手術を行うという展望は、おそらく最もインパクトのあるユースケースでしょう。

コンシューマー市場やインダストリアル業界、そしてヘルスケア分野において、真に臨場感のある体験を実現するためには、通信エコシステムのメンバーが一丸となって取り組む必要があります。ネットワークオペレーター、ネットワーク機器OEM、コンシューマー機器メーカー、エッジ／クラウドコンピューティングサービスプロバイダー、コネクティビティソリューションプロバイダー、アプリケーション開発者が一丸となって、テクノロジー、コンポーネント、コネクションからなる複雑なパズルの様々なピースを組み立てる必要があります。

そして、通信インフラも整備されている必要があります。これは、特にmmWaveのスモールセルの導入が進むことを意味し、通信事業者によるマクロセルのアンテナのアップグレードも必要になります。一方、Bluetooth接続されたスマートフォンやデバイスでAR/VRを消費者に提供するには、チップセットの改良が必要です。また、次世代のAR/VRグラスやゴーグルには、データを高速で伝送するための高速・小型のコネクターやアンテナ部品が必要になります。

特に、インフラの開発がデバイス開発を促し、それがアプリケーションの開発に影響を与えるため、5Gのパズルを組み立てるのは複雑です。様々なステークホルダーがそれぞれ異なる技術、市場、コストを考慮してイノベーションや投資を行うため、それらを統合する能力が重要となります。

5Gがその可能性を十分に発揮するためには、インフラへの投資に続いて、チップセット・プロバイダーやモバイル機器メーカーによる投資が必要です。5Gに接続されたデバイスの可用性を高めることで、アプリケーション開発者は、期待されるAR/VRやその他のゲームを変えるアプリケーションを提供するペースを上げることができます。幸いなことに、モレックスは5Gの主要なステークホルダーにおいて信頼できるサプライヤーというポジションにおり、独自の視点を持っています。5Gの実現に向けたモレックスの finger-on-the-pulse (患者の脈を指で測る）の様な顧客ファーストのアプローチは、モレックスを顧客と同期させながら、完全に没入型で魅力的な拡張現実および仮想現実アプリケーションを含む5G対応のブレークスルーがすぐに現実のものとなることを保証します。

真に没入感のある消費者体験・産業体験・医療体験を実現するためには、通信エコシステムのメンバー間の協調的な取り組みが必要です。ネットワーク事業者、ネットワーク機器OEM、コンスーマー向けデバイスメーカー、エッジ/クラウドコンピューティングサービスプロバイダー、接続ソリューションプロバイダー、アプリケーション開発者のすべてが、テクノロジー、コンポーネント、接続の複雑なパズルのさまざまなピースを組み立てるために結集しなければなりません。

通信インフラを整備する必要があり、これは、特にミリ波のスモールセル配備の拡大と、通信事業者によるマクロセルアンテナのアップグレードを意味します。一方、Bluetooth接続のスマートフォンやデバイスでAR/VRを消費者に提供するには、チップセットの強化が必要です。次世代のAR/VRメガネまたはゴーグルには、高速伝送用で小型のコネクターやアンテナコンポーネントが必要です。

5Gのパズルを組み立てるのは複雑で、特に、インフラ開発がデバイス開発を促進し、それがアプリケーション開発に影響を与えるためです。さまざまなステークホルダーからのイノベーションと投資を統合する能力は非常に重要です。

5Gが、その約束を完全に実現するためには、インフラへの投資が必要であり、次いでチップセットプロバイダーとモバイル機器メーカーによる投資が必要です。5G接続デバイスの利用可能性が拡大するにつれて、アプリケーション開発者は、予想されるAR/VRやその他の画期的なアプリケーションを提供するペースを上げることができます。幸いなことに、モレックスは、5Gの主要な利害関係者に信頼されるサプライヤーとして独自の視点を持っています。5Gイネーブルメントに対するモレックスのフィンガーオンザパルスアプローチにより、モレックスは、お客様と歩調を合わせると同時に、完全没入型で魅力的な拡張現実および仮想現実アプリケーションを含む5G対応ブレークスルーが間もなく現実のものとなることを確実にします。